ポジティブ思考が続かない3つの理由

感謝ノートを、毎日書いてきた。

アファメーションも続けてきた。

「ありがとう」って、心の中で何度も唱えてきた。

それなのに、ある日、急にしんどくなる。

──そんな感覚があるなら、責める前に、見てほしい話があります。

結論から書きます。

あなたが感謝が足りないわけじゃないんです。

むしろ、ちゃんと光を見ようとしてきた人ほど、ここで止まります。

今日は、その構造を整理します。

続けてきた人ほど、ここで止まる

たぶん、この記事を開いてくれた人は、こんなふうに頑張ってきた人だと思います。

毎晩、感謝ノートを書く。「今日もご飯が食べられて、ありがたい」「家族が元気で、ありがたい」「仕事があって、ありがたい」。最初は、書けてた。ちゃんと、ありがたいって思えてた。

でも、半年、一年と続けるうちに、だんだん、書く手が止まるようになる。「いや、本当はありがたくないかも」「むしろ、ちょっと嫌だな」「でも、こんなこと書いちゃダメだ」──こうやって、本音に蓋をして、無理やり感謝の言葉を書いてきた。

そして、ある日、突然、書けなくなる。ノートを開いただけで、もう、しんどい。

これ、感謝が足りないんじゃないんです。逆。感謝しようと頑張りすぎた結果、感謝できない自分を、ずっと否定してきたから。

続かない3つの理由

なぜ、ポジティブ思考が続かないのか。理由は3つあります。

理由① 影は、見ないと消えるんじゃない。地下にたまる

多くの人は、「ネガティブな感情を見ない」ことで、その感情が消えると思っています。でも、消えないんです。意識の表側から、消えたように見えるだけ。

じゃあ、その感情はどこに行くのか。──地下に潜るんです。自分の中の見えないところに、ぐっと押し込められる。そこで、消えずに、たまっていく。

これ、ちょっと怖い話に聞こえるかもしれない。でも、誰にでも起きてることなんです。たまった影は、どこかで必ず出てきます。

理由② 光が強いほど、影は濃くなる

太陽の反対側には、必ず影ができる。光が強ければ強いほど、影も濃くなる。これは、世界の構造です。

「ありがとう」を強く言えば言うほど、本音の「いやだった」「怒っていた」も、同じ強さで、地下にたまっていきます。光と影は、別々のものじゃないんですよ。光があるから、影がある。影があるから、光がある。──ペアで、ひとつなんです。

理由③ ある日、限界を超えて噴き出す

具体的に、見ていきます。家族の中で、職場の中で、ずっといい人をやってきた人。ずっと笑顔。ずっと「大丈夫」って言ってきた。ずっと感謝してきた。自分が我慢すれば丸く収まる、と信じて、何年も。

で、ある日、ぱつん、と切れる。急に関係を全部切る。急に家を出ていく。急に仕事を辞める。急に体が動かなくなる。周りは、びっくりします。「あんなにいい人だったのに」「何があったの?」

でも、急に切れたんじゃないんです。地下では、ずっとたまってた。本人も周りも、気づかなかっただけ。これが、光だけを見ようとした時に起きることなんです。

成功しても、幸せじゃなかった人

もうひとつ。「成功したい」と願ってきた人がいました。仕事で結果を出したい。認められたい。収入を増やしたい。──願って、努力して、ちゃんと手に入れた。

収入は増えた。自由な時間も増えた。認められもした。でも、不思議と、幸せじゃない。むしろ、前よりしんどい時もある。「成功したのに、なんで?」「これ以上、何が欲しいんだ、自分は」と、自分を責める人、けっこういます。

これも、両面の片側だけを見ていた結果なんです。成功という光だけを見て、成功の影──責任、孤独、批判、期待、転落の怖さ──を見ないまま、手に入れた。だから、手に入れた後に、影が後から襲ってくる。

逆に言うと、両面を見ながら手に入れた人は、影に潰されません。最初から、影もちゃんと見てた。覚悟ができた状態で、受け取ってる。だから、お金にも、人間関係にも、仕事にも、ぜんぶ言える話です。

「いい人爆発」が起きる本当の理由

ずっといい人をやってきた人が、ある日ぱつんと切れる現象を、もう少し書いておきます。

本人は、たぶんこう思っていました。「自分が光でいれば、関係が壊れない」「自分がポジティブでいれば、空気が良くなる」「自分が我慢すれば、家族が穏やかでいられる」。──そう信じて、何年も、何十年も、笑顔で来た。

でも、その光の裏側で、本当は怒っていた感情、悲しかった感情、限界を感じていた感情が、地下にずっとたまっていた。本人も、周りも、それに気づけなかった。だから、噴き出した時に「急に変わった」ように見える。本当は、急じゃないんです。ずっと、たまっていた。

これは、「ポジティブをやめろ」という話じゃないんです。光を見ること自体は、悪くない。ただ、光を見るときに、影も同じだけ見ておくと、地下にたまらない。これが、両面思考の入口になります。

今日、自分に置いてみてほしい問い

最後に、ひとつだけ、問いを置いておきます。

「最近、あなたが、無理に肯定しようとしている感情は、なんですか? 本当は、嫌だったことは? 本当は、怒っていたことは? 本当は、悲しかったことは?」

答えは、すぐに出なくていいです。問いを置くこと自体が、地下の影に「ここに居ていいよ」と言ってあげる、最初の一歩になります。

光と影を、同じ重さで見る

このチャンネルでは、光と影をペアで見る考え方を「両面思考」と呼んでいます。両面思考は、ポジティブを否定する話じゃないんです。光を見るのを、やめろという話でもない。光を見るときに、影も同じだけ見る。両方そろって初めて、現実が動き始めるという話です。

感謝ノートも、悪くないんです。ただ、表ページだけを書いてきたなら、裏ページを足してみる。表に感謝、裏に本音。同じ日に、同じ分量で。これだけで、感謝ノートが、苦しくなくなります。

関連動画

今日のテーマは、YouTubeチャンネル「やま|在り方の研究室」の2本目で、もう少しじっくり話しています。動画でも確認してみてください。

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